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メンバーコラム

エレベーターの待ち時間はイラっとする

末広 英之コンサルタント

2014.09.16 Tue

毎日の通勤において、イラッとすることと言えば、エレベーターに違いありません。
皆さんもオフィスやデパートなどで、ランプが着いているエレベーターの前で待っていたら、突然遠く離れたところのランプが着き、オイオイオイとなったご経験はおありかと思います。
ブランドデザインは建物の10階にあるのですが、せっかく乗れたと思ったら、10階まで各駅停車ということも萎える事態です。

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◎こんなことが起こる理由
エレベーターの運行は待ち時間と混雑度が最小になるように群管理されていますが、
目的関数が複数あり、それらがトレードオフの関係にある場合には、数式による厳密解を得るのは難しいそうです。
つまり、数学的には最適なエレベーター運行方程式は存在しないのです!
http://www.nri.com/~/media/PDF/jp/opinion/teiki/kinyu_itf/2013/itf_201312_9.pdf

そこで、この「正解のない問い」に対して、どういった解決策がたてられているのかを調べてみました。

■解決策①:将来予測
最近のエレベーターでは、時間帯により何階から何人位が乗るかを予測したり、来ない時間が増えると待ち人数が増えるなどの予測ロジックを持っているそうです。
人と違う不規則な動きをする人は損しそうですね。
■解決策②:エレベーターを二階建てにしてたくさん運ぶ
世界で初めて六本木ヒルズで導入されたのですが、上下2フロア分をまとめて運ぶというダイナミックなやりかたです。
http://www.toshiba-elevator.co.jp/elv/technology/newtechnology/co05/

■解決策③エレベーターを呼び出すときに目的階を入力させる
同じ階で降りる人をまとめることが出来るので、最適化できるようです。
みんな同じ階で降りた後がちょっと気まずい感じもしますが。
http://blogs.yahoo.co.jp/designer_in_usa/37944247.html

■解決策④:今エレベーターがどこにいるのかわからなくする
これは博報堂が入居する赤坂Bizタワーでも行われているやり方です。
到着予定のエレベーターが突然切り替わって、うっとおしい時もありますが。
■解決策⑤:鏡で気を紛らわせる
エレベーターホールに鏡を設置しておくと、自分の姿を見て気が紛れ待ち時間が気になりにくくなるようです。
エレベーターの内部を自分が映るような内装にしておくと、速度が遅いエレベーターに対しても同様の効果があるようです。
みんな、自分の姿を見るのは好きなんです。
(もちろん、車椅子の方のためという意味もあります)
■解決策⑥:押し間違いボタンをキャンセルする
間違えた階のボタンを押して、そのまま下りていく人も迷惑千万ですが、そういった場合にはキャンセルするというやり方もあり、製造会社によってコマンドが違うそうです。
大抵の場合はボタン連打でOKっぽいです。
http://denzo.sakura.ne.jp/archives/2005/0609_000000.htm
※更なる技として、エレベーターをハッキングして他の階に止まらなくする方法もあるそうです。
http://denzo.sakura.ne.jp/archives/2006/0319_155315.htm

■解決策⑦:65kg以下に痩せる
製造会社により基準は異なりますが、建築基準法の規定で人間1人を65kgと見積もって定員計算することになっているので、それ以下なら人様の迷惑にはならないようです。 ということで、まだまだ色々な解決策がありそうですが、やはり「正解のない問い」であるからこそ挑戦し甲斐があるというのは、ブランディングとも共通するなと思いました。

ちなみに、末広が一度乗ってみたいのは、チェコにあるバチャ社という靴メーカーの社長室をそのままエレベーターの中に作ってしまい、社長が各階を直接移動できるようにしたやつです。これなら、社長はイラっとならないと思います。
http://www.elevatorbobs-elevator-pics.com/bata.html (アントニオレーモンド設計)