未来のための革新をデザインする。
メンバーコラム
2015.01.19 Mon
もう10年も前の話ですが仲間と共に、代官山の空き地に1ヶ月限定で、「代官山リビング」という全長100mテーブルを作ったことがあります。
敷地は代官山駅前という立地でありながら未利用のまま放置されていた計画道路の保留地。周囲はフェンスで囲まれ、雑草が生い茂っていました。
私たちはこの場所を訪れ、この捨てられた土地を魅力的な場に変えたいと考え、皆でアイディアを出し合いました。代官山らしく生活感がありながらもダイナミックで自由な「広場」をつくるべく、ひとつのプランのスケッチを作りました。
そのスケッチをもとに、地元のアートギャラリーの方々と共に所有者である渋谷区に使用許可をとり、その後は、自分達で自らハンマーで杭を打ち、100mのテーブルを完成させていきました。
公開されていたのは、たった1ヶ月という短い間ではありましたが、たくさんの反響をいただきました。街の人やアーティストによって、テーブルを活用したカフェイベントやパーティも行われました。このテーブルが触媒になって、自主的な活動がどんどん生まれました。
現在この代官山坂は、地域住民の方々の自主的な活動により、毎年夏にはひまわりが植えられるようになり、約10年間も活動が続いているそうです。
このプロジェクトを通じて感じたことは、良い広場ができれば、良い人や、良い活動が集まるのだということ。
単に場所だけではなく、そこに集まる人や、問いかけ、背景・文脈、そうしたものが連鎖して、良い広場と呼べるものになるのだということ。
あれから10年たった今、私は「広場のような仕事」を自分のひとつのテーマとして考えています。
良い広場のように、自ら楽しんで参加したい、自分の創造性を発揮したいと思ってもらえる、そうした触媒力のある活動体を生みだしていくことに力を尽くしたいと考えて、日々さまざまな仕事をしています。