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メンバーコラム

老人になった日 -見た目とメンタル-

神長 澄江コンサルタント

2014.09.8 Mon

見た目が自分のメンタルな面に与える影響は大きいと思います。

スクリーンショット

髪型を変えると気分が変わる。
朝、服装が決まらないと何となく1日気分が消極的になる。
といった事柄は、誰でも毎日の生活の中での感じていることだと思います。
また、派手なメイキャップで普段とは違う激しさで演奏するロックバンドアーティスト。
ひらひらのミニスカートを履いて全身でかわいさをアピールするアイドル。
制服を加工して同じような仲間とたわむれるヤンキー。
多くの人の外見とメンタルの関係性が見えてくるように思います。

この関係性をもっと知りたい、深堀りしたい、という想いのもと、昨年秋のある日、わたしは80歳の老人に変身しました。(博報堂コミュニケーションデザイナーの山崎さんの企画で、特殊メイクアップアーティストの百武さんに協力をいただき実現しました)

変身後の私は、顔にはびこる深いシワ、視界が狭くなるほどに垂れたまぶた、ガザガザにひび割れた唇、あかぎれで痛々しい手の甲、などなど、想像を絶する姿になっていました。この姿で知り合いに会ったり、街を歩くことは、変身前には想像もしていなかったほど、とても気が重くなることで、今思えば、この時点ですでに外見によるメンタルへのダメージのが来ていたように思います。

その日は、渋谷に繰り出し、さまざまな人とのコミュニケーションを試みましたが、相手が私を見る目線、会話の口調、接する態度、その一つ一つが今までとは異なるもので、気持ちを落ち込ませるものがありました。例えば、109ではお店で店員に声をかけようとすると、避けられで逃げられてしまうという出来事もあり、中身は今までと変わらない自分なのに、見た目が違うことで人の態度が変わってしまうことを実体験しました。

この外見の変化による、自分を取り巻くコミュニケーションの劇的変化体験を経て、人は所詮他人になることはできませんが、外見を変えることで、他人の気持ちに少しだけ近づくことはできるのかもしれないと感じました。「見た目とメンタル」というテーマは、まだまだ奥が深そうなので、今年は「Metamorforce」というプログラムで、さらに違った側面からアプローチをしてみたいと思っています。