未来のための革新をデザインする。

博報堂ブランドイノベーションデザインは3つの専門ユニットが連携しています

博報堂ブランドデザイン

ブランディングの全プロセスを一貫してサポートする専門ユニット

詳しく見る

博報堂イノベーションデザイン

企業や社会のイノベーションを支援するための専門チーム

詳しく見る

HUX

事業戦略をUX起点でリードし、
製品やサービスを開発するチーム

詳しく見る

メンバーコラム

2014.10.24 Fri

言わずと知れたジャズのスタンダードナンバー。ルイ・アームストロングのボーカルで有名なこの曲。某車会社が80年代にOn-airしたCMのテーマソングだった。テレビからこのCMの曲が流れてくると、この車に乗って世界中を旅したい、この世界に素晴らしい出会いがたくさん待っている。胸が熱くなるほど旅情を誘われたこの広告が伝えたwhat a wonderful world. 今の僕にそのwhat a wonderful worldはあるのだろうか?世界との素敵な出会いはあるのだろうか?と振り返ってみた。

うれしいことにささやかではあるが自分なりのWhat a wonderful worldはあることに気付いた。それを紹介してみよう。
まずこの写真を見てほしい。

column-11-img01

樹の上に腹ばいに寝そべっているこの動物、何だと思いますか?
実は熊の赤ちゃん、動物園で撮ったものではなく、正真正銘野生の熊。
撮影地は尾瀬、山の鼻という尾瀬の入り口から500mくらい入った所。数人のハイカーが「あれは何だ」と指さしている先を望遠レンズで確認してみたら間違いなく熊の赤ちゃん、良く見るとこの枝の下にお母さん熊がいてこちらのほうをうかがっていた。
こんなに無防備な姿の熊に会えるなんて、なんとラッキーなことだろう。作家のC・W・ニコルは日本の熊がいる自然の豊かさに感激したと語っていた。彼の出身地イギリスは豊かな自然といっても管理された自然で7世紀に熊は絶滅してしまった。無防備なクマの子供との遭遇、これは僕にとってはWhat a wonderful natureとの出会い。

次の写真はあるドキュメンタリー映画で紹介された人物。

column-11-img02

解説文を引用してみると
ヘッドホンと殺虫剤で武装した植物学者。木の中の「音」世界を研究し、
シの植林地を破壊し食べつくす害虫の大発生を食い止めよと、一人で模索している。
ヤシの木に穴をあけてヘッドホンに接続されたスティックを突き刺して中の虫の出す音を聞いている植物学者。そんな人がいるのも驚きだったし、そんな人を見つけ出して撮影する人がいるというのも驚きだった。ちなみにこの映画は「ローマ環状線、めぐりゆく人生達」というタイトルのドキュメンタリー映画。ドキュメンタリーで初めて、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞という快挙を達成した作品。すごい人もいるもの、すごい映画があるもの。これは僕にとってはWhat a wonderful cinemaとの出会い。 そしてこの写真

column-11-img03

この夏、我が家の市民農園で採れたトマト。 今年は天候が不順で無農薬、無肥料栽培で育てたために、他の人のトマトよりもすごく育ちが遅く、挙句の果ては肥料農薬をたんまり撒いている隣の市民農園のおじさんから妻が肥料を撒くようにすすめられた。「無農薬じゃトマトは出来ても2〜3個、今からでも遅くないから肥料を撒いた方がいい」と忠告される始末。夕食の時に妻が涙ながらに訴えた。「肥料をやる?」ぼくは断固として反対したが内心赤く熟すまで育つのかどうかとても心配だった。ところが夏休み一週間家を空けて戻ってみると真っ赤に熟しているトマトがたわわに実っていた。やったぞ、隣の肥料農薬まき散らし親父、見て見やがれ、我が家のトマト!と農園で会った時に心の中でつぶやいた。食べてみて美味しかったのは言うまでもない!What a wonderful tomato!

次の写真は三鷹阿波踊りのワンシーン。

column-11-img04

何に感動したかって?
それは日本の女性の美しさ、やっぱり和服が似合うわ、黒髪のうなじは色っぽいわ。
なかでも奴踊りというちょっとひょうきんな男踊りを女性が踊っている姿は、なんとも言えないおかしさと色気がある。しばし見とれてしまった。What a wonderful Yamatonadeshiko! というわけでこの世の中まだまだ捨てたものではない。まだまだ素敵な出会いが待っている。