未来のための革新をデザインする。
メンバーコラム
2015.02.9 Mon
「この商品、デザインだけでなく機能もすごいんです。」
あるビジネス番組で、グッドデザイン賞を受賞したプロダクトについてリポーターが言った言葉です。
このコメントに違和感を持つ人はどれぐらいいるのでしょうか。
デザインには、大きく
(1)下絵。素描。図案。
(2)意匠計画。生活に必要な製品を製作するにあたり、
その材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。「建築ーー」「衣服をーーする」出典「広辞苑第五版」
の2つのレンジがあります。
語弊を恐れず簡略化すると
(1)は見た目のことで(2)は設計のことです。
リポーター(番組制作者)は(1)の意味でしかデザインをとらえていないためにあのようなコメントになったかと思いますが、グッドデザイン賞における「デザイン」の意味は、実は主に(2)です。
同賞で、形の無い活動そのものが受賞したりするのもその為です。
例えば、デザインがいい地図とは、
地図の基本機能である「目的地の場所が分かる」ことが設計されている地図です。
しかし、世間一般には下のような地図を、「この地図、デザインはいいんだけど分かりにくいね。」などといったりします。(1)の意味でしか捉えられていないために、こんな矛盾した使われ方になるのです。
この地図の場合だと「この地図カッコイイんだけど分かりにくいね。」や、「この地図オシャレだけど分かりにくいね。」などというのがよいのかもしれません。
もちろん、博報堂ブランドデザインはブランドの仕組みをつくるという意味で「デザイン」を冠しており、カッコイイとかオシャレだからということではありません。